その昔、政治は「政事(まつりごと)」と呼ばれました。
権力者は、「まつり」により、民を治めてきたのです。
「まつり」とは、神や天に祈ること。
古代の人々にとっては、
祈りにより「雨を降らせること」「風を治めること」「疫病を鎮めること」はとても大切なことだったのです。
魏志倭人伝によれば、
卑弥呼について、「鬼道を事とし、能く衆を惑わす」と説明されています。
しかしこの「鬼道」とはまさにこの祈る力のことを指すと考えられています。
反対に言えば、祈りの力のない人物は、
権力を得ることができなかった・・・・
もし権力を手中にしていても、その地位から引きずりおろされてしまったのです。
そのために、権力者たちはさまざまな秘術を身につけるか、
秘術を持つ魔術者たちを近辺に侍らせてきました。
例えば、ナポレオンは「皇帝占星術」という秘術を身につけていたと言われています。
そしてその秘術を記した魔法書を失ったために権力を失墜したのだ、と。
日本においても同じです。
古代の天皇や皇后は、戦のたびに、神に祈り、
占いをしたと日本最古の書物である「日本書紀」には書かれています。
例えば、女ながらに海外に出兵をし、
戦に勝利をしたことで知られる神功皇后は、
戦の前に川で釣りをし、「戦に勝てるならば魚が釣れる」と占いました。
その結果、
鮎が釣れたので戦をし、占い通りに勝つことができたと記されています。
まったく余談ですが、「鮎」が魚ヘンに占と書くのはそういう理由。
占いや秘術が私たちの生活に密着している証拠とも言えるでしょう。
ただ、古代日本の秘術は、中国から輸入されたものがほとんどでした。
神社に行くと、赤・青(緑)・白・黒(紫)・黄の五色の組み合わせが目に着くのではないでしょうか。
例えば、賽銭箱の上に吊り下がっている鈴についている鈴緒は、
この五色が依りあわされた綱が使われていることが多いでしょう。
この五色は中国の五行思想で、東西南北と中央を意味する色で、
ひいてはその方位を守護する聖獣を象徴する色でもあります。
また、相撲の土俵をよく見ると、
東西南北を守護する四色の房が吊り下がっていることに気付くでしょう。
私たちの生活の中に、古来の秘術はしっかり浸透してしまっているのです。
ですからこの秘術を理解し、利用することでさらなるパワーをもらえることは想像に難くないでしょう。